コンパートメントモデル

コンパートメントモデルは、薬物の血中動態を数理的に解析し、血中濃度変化を吸収や排出などの要素に分けて検証できるようにしたものです。このスライドの内容は統計学入門の内容にそったものに少し情報を足したものとなっています。統計学入門のホームペー…

生物学的同等性試験 検出力の計算法

生物学的同等性試験の例数設計では、非心t分布を用いた計算により検出力を計算します。検出力は第二の過誤(偽陰性)に関連したパラメータで、第一の過誤(偽陽性)は厳密に管理し、第二の過誤はややゆるく管理するというのがどの業界でも一般的な決まりとな…

生物学的同等性試験ガイドライン 同等性パラメータの計算法

生物学的同等性試験では、標準製剤と試験製剤での血中濃度データ(PK)を解析し、同等性の判定を行います。同等性の判定はAUC(Area under curve)とCmax(最大血中濃度)で行いますが、その他のパラメータも計算し、同等性への影響を確認しておく必要があり…

粉体特性2

錠剤の製造において、粉体の特性は重要な要素となっています。2では、粉体特性の詳細についてまとめました。流動性の測定法として、回転式ドラムや振動フィーダーでの雪崩的な流動が起こる角度・速度で評価するDynamic test methodというものもあるようです…

粉体特性1

錠剤の製造において、粉体の特性は重要な要素となっています。粉体特性のうち、最も重要な要素の一つはその粒子のサイズ(粒子径)です。原料の粒子サイズ、粒度の分布、形やテクスチャは錠剤を成形する際に品質に影響を及ぼす要素となります。通常粉体の微…

皮膜5

皮膜工程は錠剤表面に薄いフィルムを形成し、錠剤や有効成分を保護し、外観を良くするための工程です。5では皮膜の品質に影響を与える錠剤の特性などについてまとめています。皮膜では、錠剤の欠けやすさや重量のばらつき、安定性や配合性、形や刻印、錠剤の…

皮膜4

皮膜工程は錠剤表面に薄いフィルムを形成し、錠剤や有効成分を保護し、外観を良くするための工程です。4では皮膜の品質に影響を与える熱交換などについてまとめています。皮膜の品質では、スプレー中の熱交換とスプレー自体が重要な因子になります。熱交換は…

皮膜3

皮膜工程は錠剤表面に薄いフィルムを形成し、錠剤や有効成分を保護し、外観を良くするための工程です。3では皮膜に用いるスプレーと皮膜工程の過程についてまとめています。皮膜に用いるスプレーは、スプレーノズル、ポンプ、タンクから成ります。チューブは…

皮膜2

皮膜工程は錠剤表面に薄いフィルムを形成し、錠剤や有効成分を保護し、外観を良くするための工程です。2では製剤の溶解性と皮膜の関係についてまとめています。即放錠では、すぐに溶ける水溶性の高分子をフィルム剤に用います。セルロース系の化合物が一般的…

皮膜1

皮膜工程は錠剤表面に薄いフィルムを形成し、錠剤や有効成分を保護し、外観を良くするための工程です。溶出制御性の皮膜では、溶出率を下げたり、徐放性をもたせたりすることもあります。一般的にフィルムの厚みは100μm以下で、錠剤にフィルムの基剤を溶かし…

打錠4

打錠は粉体を圧密し、錠剤にする工程を指します。4では、打錠のパラメータと錠剤の状態についてまとめています。打錠の主なパラメータは打錠圧力と回転盤回転速度になります。打錠圧力はローター間の距離と粉体の充填量で決まり、回転速度はモーターによる回…

打錠3

打錠は粉体を圧密し、錠剤にする工程を指します。3では、打錠障害についてまとめています。打錠障害とは打錠における製品不良の問題を指し、そのタイプにより様々な名前がついています。スケールアップによる回転速度上昇では、通常ほとんどの打錠障害が起こ…

打錠2

打錠は粉体を圧密し、錠剤にする工程を指します。2では、錠剤の形状やToolingsについてまとめています。錠剤への標識は錠剤印刷や刻印によって行います。印刷技術がなかった時代には刻印が主流でしたが、現在は印刷錠が増えていると思われます。錠剤が小さい…

打錠1

打錠は粉体を圧密し、錠剤にする工程を指します。通常はロータリー式の打錠機と呼ばれるものを使用し、粉体を下杵、上杵、臼で挟んで圧密することで錠剤にします。ロータリー式打錠機は粉体を供給する部分、回転して打錠を行う部分、打錠後の錠剤を排出する…

乾式造粒

乾式造粒は原料となる粉体をローラーで押し固めることで粒とする造粒方法です。スクリューで原料をローラーに押し込み、2つのローラーの間に入った原料をローラー間にかかる圧力で押し固めます。押し固めた原料は板状になりますが、これを砕いて粒にするのが…

流動層造粒2

流動層造粒は粉体を吹き上げて流動させ、その流動している部分にスプレーを吹きかけつつ乾燥させることで造粒する方法です。2では、流動層造粒に関する各要素と造粒の状態についてまとめています。流動層造粒では、スプレーで粉体を濡らし、濡れた粉体同士が…

流動層造粒1

流動層造粒は粉体を吹き上げて流動させ、その流動している部分にスプレーを吹きかけつつ乾燥させることで造粒する方法です。医薬品製造では一般的に使用されています。流動層造粒では、粉体を加温しつつ吹き上げて混合し、結合剤溶液をスプレーでふきかけつ…

湿式造粒3 スケールアップ

スケールアップとは、少量や中量で開発された製品の製造ボリュームを増やし、市販用の製造とすることを指します。スケールアップ前後では製品の品質が一致するようにしたいところですが、機械が大きくなり、仕込み量が大きくなると粉体にかかる力が変化しま…

湿式造粒2 湿式造粒の基本的事項

湿式造粒の工程デザインとして、造粒機・パラメータ・造粒の量などについてまとめています。湿式造粒では、有効成分や添加物の性質、使用機器、工程パラメータ、造粒終点などが工程のデザインに影響します。個々の要素を理解し、各ステップが造粒物に与える…

湿式造粒1 湿式造粒の基本的事項

このあたりから、Developing Solid Oral Dosage Forms(固体経口製剤の開発、Academic Press)を読んで勉強した内容となります。この教科書は固形経口製剤の製造に関わる技術、知識等がまとまって記載されているため、製剤の製造や開発に非常に有用な内容と…

添加剤: 安定化剤等

安定化剤とは、酸化しやすい有効成分の保護のために加える還元剤を指します。有効成分より先に酸化のターゲットとなることで有効成分の酸化を防ぎます。光に弱い有効成分では光による酸化が起こるため、特に重要となります。没食子酸プロピルは薬添規記載の…

添加剤: ポリマー等

医薬品に使用する添加剤のうち、溶出制御などに用いるポリマーと崩壊剤についてまとめました。ポリマーとは一般的に重合物すべてで、デンプンやセルロースも含みますが、ココでは皮膜に用いるコポリマーを説明します。ポリマーは溶出制御や苦味マスキングな…

添加剤: 増粘多糖類

増粘多糖類は水を吸ってゲル化する多糖類を指します。乳液などに用いられますが、服用することもできる成分です。医薬品よりは食品に添加物として加えられることが多い成分です。キサンタンガムはトウモロコシデンプンを発酵させて作る多糖類で、薬添規に記…

添加剤: 油脂等

油脂は皮膜の表面を滑りやすくする艶出しや、クリーム・ローション剤の基剤として使用されます。皮膜の硬さを調整する、可塑剤として用いられるものもあります。クエン酸トリエチルはクエン酸のエステルで皮膜の可塑性を高める効果を持ちます。可塑性を高め…

添加剤: 甘味料など

甘味料は少量で強い甘みを感じる物質を指します。医薬品ではアドヒアランス(服用を続けること)の維持を目的として特に小児向け医薬品に加えられます。代謝される白糖を用いるものもありますし、代謝されないタイプの合成甘味料も用いられます。口腔内崩壊…

添加剤: タール色素

タール色素は有機化合物の色素で、医薬品等に使用できることができるタール色素を定める省令に定められた11種類が経口の医薬品に使用可能です。アルミニウムレーキも使用可能です。11種以外には外用の医薬品のみに使用可能なものも設定されています。経口製…

添加剤: 流動化剤

流動化剤は造粒物などの粉体の流動性を良くするために用いる添加剤です。粒子の細かい粉体では、粒子の相互の摩擦・静電気による引力がその重量より大きいため、粉体が固まって流れないような状況が起こります(水を含んだ砂などがイメージに近いと思います…

添加剤: 滑沢剤

滑沢剤は造粒・混合物が打錠の杵や臼にくっつくのを防ぎ、剥がれやすくするための添加剤です。通常はステアリン酸(脂肪酸)の塩を用います。タルクや硬化油も滑沢剤として用いられることがあります。通常混合工程の最後に加えられますが、混ぜすぎると滑沢…

賦形剤: 添加剤

賦形剤は錠剤の成形性を良くし、嵩をますために加えられる添加剤を指します。デンプン、乳糖、マニトールや結晶セルロースなどが主な賦形剤となります。賦形剤の中には造粒をせず、直接混合・打錠できるようにした高機能なもの(造粒賦形剤など)もあります…

添加剤: セルロース系添加剤

医薬品の添加剤として、セルロースやその誘導体は様々な目的で多用されています。セルロースの誘導体は賦形剤(成形性を良くするための添加剤)、崩壊剤(錠剤を崩壊しやすくするもの)、フィルム剤(皮膜成分を構成するもの)、結合剤(粉体同士を結びつけ…