賦形剤: 添加剤
賦形剤は錠剤の成形性を良くし、嵩をますために加えられる添加剤を指します。デンプン、乳糖、マニトールや結晶セルロースなどが主な賦形剤となります。賦形剤の中には造粒をせず、直接混合・打錠できるようにした高機能なもの(造粒賦形剤など)もあります。賦形剤やその他の添加剤はそれ自身の安全性や安定性と共に、有効成分の安定性に与える影響(配合性)を考慮して選択します。
デンプンはトウモロコシやジャガイモに含まれるグルコースの多糖で、トウモロコシデンプンが安価なため最も頻繁に用いられているように感じます。通常賦形剤として加えられますが、古典的な製剤では結合剤とすることもあったようです。同様にデンプンから成る賦形剤として、部分アルファ化デンプンがあります。アルファ化デンプンはデンプンの結晶に水が入り、結晶構造が崩れたものを指します。部分アルファ化デンプンはデンプンの一部がアルファ化したもので、賦形剤としても、崩壊剤としても用いられます。
乳糖はガラクトースとグルコースの2糖を指し、通常は水和している物質です。水に弱い有効成分との配合では水和していないもの(無水乳糖)を用いることもあります。賦形剤としてかさ増しに用いられますが、より性能の高い造粒した乳糖や粒子径の異なるものも製品として存在します。
マンニトールは糖アルコールの一種で、基本的には体内で代謝されない物質です。溶解すると酸性を示すとともに、熱を吸収します。この熱吸収により、ほのかにひんやりした感覚を与えます。