2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

統計の基礎8 対応のある一元分散分析

統計の基礎8では、3群以上の平均値の差の検定である、一元分散分析において、同一の対象から各群のデータを取得した場合(対応のある場合)の分析方法について説明します。対応のある、というのは例えば同じ人から3群すべてのデータを1回ずつ取得する場合な…

統計の基礎7 一元分散分析

統計の基礎7では、3群以上の平均値の差の検定である、一元分散分析について説明します。一元分散分析では、3群以上の平均値に差があるかどうかを示す検定方法で、3群のどの群の間に差があるかどうかを示す検定ではありません。群間の差を比較する場合には、…

統計の基礎6 カイ2乗分布とカイ二乗検定

統計の基礎6では、クロス集計表やカテゴリカル・データに用いられるカイ2乗検定について説明します。カイ二乗検定はカテゴリカル・データの比を調べるための検定で、比がある値と同じであることを確かめる適合度の検定と比がある値と同じであることを確かめ…

統計の基礎5 t検定

統計の基礎5では、平均値の差の検定である、t検定について説明します。t検定はどの統計の入門書にも載っている、基本的な検定の一つです。検定の基本的な要素が詰まっているので、検定を理解するためにt検定はよい教材となっているのだと思います。t検定は、…

統計の基礎4 仮説検定の基礎

統計の基礎4では、統計でよく用いられる、仮説検定の基本的なことについて説明します。仮説検定は科学論文でも、臨床データでもどこにでも顔を出すのですが、いまいち意味がわかりにくいものです。私もはっきりとはわかっていませんが、現在わかることについ…

統計の基礎3 分布と範囲

統計の基礎3では、データの分布とその範囲について説明します。一般的に数値の集合(データ)は様々な分布を取ります。分布を取るため、データには範囲(幅)が必ず存在します。データの範囲を示す方法について、ココでは説明します。データの範囲を示すパラ…

統計の基礎2 基礎統計量

統計の基礎2では、基礎統計量について説明します。基礎統計量に関してはよくわからないなりに使用されている場合が多いように思います(私も長年よく分からずに使用していました)。統計的なデータの取り扱いでは必ず出てくるものとなりますので、最低限理解…

統計の基礎 1

統計の基礎1では、確率論と統計の関係、データの分布、回帰について説明します。統計学は確率論として整備されたものを基にして、多数のデータの取り扱いに関する方法をまとめた学問です。統計学は優生学を起源としていて、優生学とそれに伴う遺伝学を研究し…

Rの基礎9 基本的な統計と検定

Rの基礎9では、Rでの統計や検定の基礎について説明します。Rは統計を主な対象としたプログラミング言語ですので、統計に関する機能は充実しています。基本統計量(平均値や標準偏差、4分位値など)の計算に用いる関数は全て揃っており、個々の関数を忘れてい…

Rの基礎8 作図

Rの基礎8は、Rでの作図(グラフ作成)について説明します。Rはパッケージなしでも多彩な作図機能を持ち、データを簡単にグラフとして表示することができます。代表的な作図関数として、plot関数やpairs関数、hist関数、boxplot関数などがあり、それぞれ散布…

Rの基礎7 パッケージ/ライブラリ

Rの基礎7は、Rでのライブラリ(パッケージ)の使い方と代表的なパッケージについて説明します。パッケージとは、Rにない機能をあとから足すためのもので、Rにインストールして用います。基本的にはCRANがパッケージの管理を行っており、20000個以上のパッケ…

Rの基礎 6 ディレクトリとファイルの操作

Rの基礎6では、Rでのディレクトリとファイルの操作について説明します。Rでは他の言語やコマンドプロンプトと同様に、ファイルを操作したり、ディレクトリをいじったりすることができます。とはいえ、Rでフォルダを作成する、特定の形式のファイルを作成する…

Rの基礎 5 データフレーム

Rの基礎5では、Rでのデータ取り扱いの重要要素の一つである、データフレームについて説明します。データフレームはExcelで扱う表のようなもので、行と列を持つデータのかたまりです。Rでデータを扱う場合には多用します。データフレームを作成する際には、da…

Rの基礎 4 比較演算子と条件分岐、繰り返し

Rの基礎4では、比較演算子、論理演算子、条件分岐(if文)、繰り返し文(For文)について説明します。比較演算子とはその名の通り、2つの値を比較し、論理型(Boolean)を返す演算子を指します。同値であるかどうかを調べる==と異なる値であることを示す!=が…

Rの基礎 3 ベクターの操作

Rの基礎3では、Rでデータを取り扱う場合の基礎となる、ベクター(Vector)の作り方や使用方法を説明します。Rにおけるベクター(ベクトルと呼ばれることの方が多いような気はします)とは、数値、文字列など、もしくはその集合を指します。数字1つでもベクタ…

Rの基礎2 変数と関数

Rの基礎2では、変数と関数について、作り方や使用方法を説明します。変数は数字や文字を一時的に格納しておくもの、関数は数字や文字を利用して、計算した結果を吐き出してくれるものになります。変数に数字や文字を格納することを代入と呼びます。関数に必…

Rの基礎 1

ICH E9で統計の内容に触れましたので、少し脇道に逸れて統計、の前にRについて説明します。Rを理解することで統計計算をRに肩代わりしてもらうことができます。統計の説明は後ほど行いますが、統計の説明にもRを使用します。Rを使えるようになることが目的と…

ICH E9 臨床研究における統計解析の原則 8 用語

ICH

ICH E9は臨床研究における統計解析の原則に関するガイドラインです。8では用語(Grossary)についてまとめています。臨床統計(というよりは、臨床統計のための実験系や計画方法)の用語は治験に関わる部署で、かつ新規有効成分を対象とした臨床研究を行う部…

ICH E9 臨床研究における統計解析 7

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ICH E9は臨床研究における統計解析の原則に関するガイドラインです。7では統計評価、臨床データベースについてまとめています。安全性の統計的な評価は多元的であり、難しいとされています。多元であるというのは、AE自体の幅、種類が多いことを指していると…

ICH E9 臨床研究における統計解析 6

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ICH E9は臨床研究における統計解析の原則に関するガイドラインです。6では検定の調整、データ取り扱い、評価項目と評価対象についてまとめています。多重比較の問題が発生する場合(主要項目が複数ある場合、繰り返し解析、中間解析がある場合)には、多重比…

ICH E9 臨床研究における統計解析 5

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ICH E9は臨床研究における統計解析の原則に関するガイドラインです。5ではデータの取り扱いについてまとめています。独立データモニタリング委員会は(主に)スポンサーが準備する、効能や安全性の評価委員会の一つで、中間解析を通じてスポンサーに臨床研究…

ICH E9 臨床研究における統計解析の原則 4

ICH

ICH E9は臨床研究における統計解析の原則に関するガイドラインです。4ではデータの取得、モニタリングと中間解析についてまとめています。治験責任医師が臨床研究を通じて収集したデータはスポンサーに送付されます。データは計画書に従い収集し、紙もしくは…

ICH E9 臨床研究における統計解析の原則 3

ICH

ICH E9は臨床研究における統計解析の原則に関するガイドラインです。3では結果の比較とサンプルサイズについてまとめています。結果の比較方法として、優越性と同等性/非劣性、用量応答性が挙げられています。優越性(Superiority)はプラセボや同効能の有効…

ICH E9 臨床研究における統計解析の原則 2

ICH

ICH E9は臨床研究における統計解析の原則に関するガイドラインです。2では治験のデザインについてまとめています。治験では、実施する上で発生するバイアスをできるだけ低減することが必要となります。バイアス低減の最も重要な要素は盲検とランダム化です。…

ICH E9 臨床研究における統計解析の原則 1

ICH

ICH E9は臨床研究における統計解析の原則に関するガイドラインです。1では研究のタイプと評価項目についてまとめています。このガイドラインには、臨床研究実施時の統計の諸問題に関する内容が記載されています。統計解析に関してはスポンサーが責任を負い、…

ICH E8 臨床研究における一般的事象 2

ICH

ICH E8は臨床研究における一般的事項に関するガイドラインです。2では開発における方法論のうち、第2相の臨床試験から、各種臨床研究において考慮すべきことについてまとめています。第2相臨床研究(Phase II)では、治療的探索研究が主な内容となります。一…

ICH E8 臨床研究における一般的事象 1

ICH

ICH E8は臨床研究における一般的事項に関するガイドラインです。1では開発における方法論のうち、第1相の臨床試験までの内容をまとめています。ガイドラインでは臨床研究と開発全体における実施の方法の基本的事項について説明されています。臨床研究の原則…

ICH E7 高齢者集団に対する臨床研究

ICH

ICH E7は高齢者集団に対する臨床研究に関するガイドラインです。ガイドラインの対象は65歳以上の高齢者で、併発疾患を持っていたり、それに対する医薬品投与を行っている可能性が高いとされています。高齢者集団での臨床研究は第3相で実施します。高齢者での…

ICH E6 GCP 7 Investigator's Brochureなど

ICH E6はGCPに関するガイドラインです。7ではGCP7章、Investigator's Brochure(おそらく治験薬概要書)の内容をまとめています。Investigator's Brochureは治験薬の非臨床・臨床研究の結果をまとめたもので、治験薬の情報を治験責任医師に提供することを目…

ICH E6 GCP 6 Protocol(治験計画書)

ICH E6はGCPに関するガイドラインです。6ではGCP6章、Protocol(治験計画書)の内容をまとめています。日本のGCP省令における計画書については以下のページに記載しています。 xjorv.hatenablog.com治験計画書の初めに一般的事項として、計画書のタイトル、I…