添加剤: 増粘多糖類

増粘多糖類は水を吸ってゲル化する多糖類を指します。乳液などに用いられますが、服用することもできる成分です。医薬品よりは食品に添加物として加えられることが多い成分です。

キサンタンガムはトウモロコシデンプンを発酵させて作る多糖類で、薬添規に記載されています。代謝されにくく、水を吸って粘性を示します。ゲランガムは真菌が合成する水溶性多糖類で、グルコース・ラムノース・グルクロン酸からなります。陽イオンにより溶解性が下がり、ゲル化する特徴を持ちます。デキストリンはデンプンとマルトース(麦芽糖)の中間程度の長さを持つ多糖で、デンプンやマルトースと同様にグルコースを構成成分とします。局方に記載されており、基本的に水溶性です。長さが短いと甘みを持ちます。グァーガムは植物の種子から取る多糖類で、ガラクトマンナンの一種です。食品向けに主に用いられ、医薬品にはそれほど使用されません。シェールガス採掘時に地下に注入する成分となっているため、価格は上昇しています。カラギーナンは海藻から抽出されるガラクトースと硫酸からなる陰イオン性高分子で、室温でゲル化します。ペクチンは植物の細胞壁の成分で、ガラクツロン酸の多糖類です。フルーチェなどに用いられており、カルシウムにより架橋されてゲル化する性質を持ちます。

増粘多糖類はその種類により粘性、ゲル化の特徴が異なります。キサンタンガムやグァーガムは比較的粘性が高く、一方でペクチンやカラギーナンはゲル化し、粘性は低めとなります。ものによってはニュートン流体(粘性を回転体を用いて測定した時、回転体の速度に比例して抵抗が大きくなるタイプの流体)であったり、非ニュートン流体(回転体の速度に比例せずに抵抗が大きくなる流体)であったりします。使用用途・目的により適切に選択することになります。