乾式造粒

乾式造粒は原料となる粉体をローラーで押し固めることで粒とする造粒方法です。スクリューで原料をローラーに押し込み、2つのローラーの間に入った原料をローラー間にかかる圧力で押し固めます。押し固めた原料は板状になりますが、これを砕いて粒にするのが乾式造粒です。乾式造粒は水分や熱をかけないため、水分や熱で分解するような有効成分でも使用可能です。スケールが変わっても機会自体を変えなくてよい、連続生産性を持ち、装置も単純です。ローラー間の圧力やスクリューでの原料の押し込みを調節することで造粒物の密度を変え、溶出性を調整することもできます。粉体に滑沢剤を加えないとローラーに粉体がくっつくため、原料に滑沢剤を加えることになります。

乾式造粒はローラーを抜けるときに、脱気と圧密が起こり、次に圧密だけが起こるローラーの中心部を抜け、圧力が抜けた後弾性的に厚みが戻るという形で造粒が進行します。この圧密の度合いはスクリューが速くなると粉の供給量が多くなるため高くなります。同様にローラー間の圧力が高いとより固く粉体が押し固められます。通常ローラー間の圧力は気圧もしくは水圧で制御されています。ローラー速度が速くなると原料供給が減ったのと同じような効果を示すとともに、圧密時間が減るために造粒物の密度は下がります。乾式造粒のスケールアップにおいて、造粒機自体を大きくする場合にはロールの幅、直径、速度、押し固められた粉体の厚みが重要な要素となります。通常圧密後の粉体の厚みを圧密の度合いの指標とし、望ましい厚みを持つ板が形成されることを確認してパラメータを調整します。