添加剤: 流動化剤
流動化剤は造粒物などの粉体の流動性を良くするために用いる添加剤です。粒子の細かい粉体では、粒子の相互の摩擦・静電気による引力がその重量より大きいため、粉体が固まって流れないような状況が起こります(水を含んだ砂などがイメージに近いと思います)。このような状態を流動性がない状態と呼びます。流動性は安息角(粉体を山状に置いたときの、山の裾野の角度)で測定できる粉体のパラメータで、安息角が高い(山が急峻である)ほど流動性が悪く、安息角が低い(山がなだらか)ほど流動性が高いとされます。造粒物は粉体と比べ流動性が高くなりますが、造粒物の性質によってこの流動性が低い場合もあります。流動性が低いと、特に打錠時に造粒物が臼に入っていかなかったり、造粒物の供給が追いつかなかったりするような問題が起こります。流動化剤は粉体同士の静電気や引力を押さえることで粉体の流動性を高め、サイズが小さくても扱いやすい造粒物を得るために使用されます。
流動化剤の代表はタルクです。タルクは滑沢剤としても用いられる水酸化マグネシウムとケイ酸塩の混合物(滑石)で、安価な流動化剤として一般的に用いられています。同様にケイ酸や二酸化ケイ素などのシリカゲルの仲間もよく用いられます。二酸化ケイ素はシリカゲルの仲間で、高異除電性を持ちます。メタケイ酸アルミン酸マグネシウムは局報記載の流動化剤で、ケイ酸と酸化アルミニウム、マグネシウムの混合物です。比表面積が高く、圧縮成形性が高い性質を持ちます。