コンパートメントモデル

コンパートメントモデルは、薬物の血中動態を数理的に解析し、血中濃度変化を吸収や排出などの要素に分けて検証できるようにしたものです。このスライドの内容は統計学入門の内容にそったものに少し情報を足したものとなっています。統計学入門のホームページに詳しい解説がありますので、そちらをご覧いただけると理解が深まると思います。
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静注1-コンパートメントモデルは最も単純なPKモデルで、薬物を直接血液に注入した際の動態を示したものです。単純な微分方程式により、排出速度を示す係数を知ることができます。経口製剤になると、薬物が溶解して吸収される段階が加わります。溶出速度、吸収速度、排出速度により血中の薬物動態を説明する形となります。2-コンパートメントモデルは吸収段階、血液区画の他に組織に移行する分を計算することになります。2-コンパートメントモデルは連立微分方程式となり、かなり計算も解も複雑になります(https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/lmsr/pdf/2020-5.pdf)。解くと、指数関数を3つ足し合わせた形となります。この形だと交換可能な係数と指数のセットが3セットできてしまうため、線形回帰で解くのは難しくなります。上記の統計学入門のホームページでは、このモデルを簡潔化し、ニュートン法を用いることで係数を求めています。