添加剤: ポリマー等

医薬品に使用する添加剤のうち、溶出制御などに用いるポリマーと崩壊剤についてまとめました。

ポリマーとは一般的に重合物すべてで、デンプンやセルロースも含みますが、ココでは皮膜に用いるコポリマーを説明します。ポリマーは溶出制御や苦味マスキングなどに用いられる成分で、可塑剤や溶解性のホール(穴)を開ける成分と共に使用されます。不溶性のものでは水への分散体として製造元から提供されるものもあります。

メタクリル酸コポリマーは薬添規記載の腸溶性コーティング用ポリマーで、pH5.5以下の酸性では水に溶解しないという特徴を持ちます。胃のpH(1~2)では溶解しないため、腸溶性として、酸性環境で安定性が著しく低い有効成分などで使用されています。口腔内でも比較的溶けにくいため、苦味をマスキングする用途でも使用されます。アミノアルキルメタクリレートコポリマーは薬添規記載の皮膜成分で、即放性の製剤で用いられます。苦味マスキングや光安定性の向上など、通常の皮膜として使用されます。アンモニオアルキルメタクリレートコポリマーも薬添規記載の皮膜成分で、水に溶けません。通常は分散液の形で提供され、徐放性の製剤に使用される皮膜成分となります。

崩壊剤は錠剤の崩壊を促進するための成分です。通常水を吸って膨らみ、錠剤を力学的に破砕します。導水型と呼ばれる、水を錠剤内に引き込むタイプの崩壊剤も存在します。普通親水性が高く、水溶性はない物質で、加水して加工はしないことが多い成分です(水を吸って膨らむため、加工が難しくなります)。

クロスポビドンは1-ビニル-2-ピロリドン(ビニルピロリドン)の重合物(ポリビニルピロリドン)です。不溶性で、口腔内崩壊錠などで用いられます。デンプングリコール酸ナトリウムはデンプンのカルボキシメチルエーテルで水分を吸収して膨らむタイプの不溶性の崩壊剤です。クロスポビドンと同様に口腔内崩壊錠などで使用されています。