打錠4

打錠は粉体を圧密し、錠剤にする工程を指します。4では、打錠のパラメータと錠剤の状態についてまとめています。打錠の主なパラメータは打錠圧力と回転盤回転速度になります。打錠圧力はローター間の距離と粉体の充填量で決まり、回転速度はモーターによる回転のみで決定します。共に打錠障害や錠剤品質に大きな影響を与えるパラメータとなります。

打錠圧力は粉体を圧密するときの圧力を指し、高いほど錠剤硬度は高く、溶出性は下がります。高いとラミネーションやキャッピングが起こりやすくなる特徴があります。粉体の充填量は充填時の下杵の下げ幅で調整し、ローラー間距離は機械的に制御しています。

回転盤回転速度は圧密や粉体充填にかかる時間に影響するパラメータです。速いほど粉体から空気が抜けにくくなり、キャッピングを起こしやすくなるとともに、圧密による塑性変形にかけられる時間が短くなるため、成形性が悪化します。回転盤回転速度が速いと杵臼間の摩擦が大きくなるため、杵臼の温度が上がり耐久性に影響を与えるとともに、臼への粉体重点がばらつきやすくなります。通常速いほど品質がばらつき、遅いほど生産性が低くなるため、丁度いい回転速度を見つけて設定することになります。

打錠圧力のプロファイルとは、ローラーの大きさに依存した打錠圧力の時間変化を指します。ローラーが大きいほど力がかかる時間が長くなるため、回転速度を早くしたいときにはローラーが大きいほど有利となります。ローラーと触れる杵の上面部分の形状もプロファイルに影響を与えます。