ICH E8 臨床研究における一般的事象 1

ICH E8は臨床研究における一般的事項に関するガイドラインです。1では開発における方法論のうち、第1相の臨床試験までの内容をまとめています。ガイドラインでは臨床研究と開発全体における実施の方法の基本的事項について説明されています。

臨床研究の原則として、GCPヘルシンキ宣言に従い実施することは当然として、治験実施に必要な非臨床・臨床研究の結果、安全性の検証結果をあらかじめ示すこと、被験者保護の責任を治験責任医師とスポンサーが負うことが必須であるとされています。治験のデザインでは、評価項目を事前にはっきりとした形で示し、事前の研究結果を反映した研究計画の立案することが重要となります。

臨床研究は4段階で進行します。研究の初期にはヒトでの薬理学研究、中期には治療の探索的研究、後期には治療の確証を取る確証的研究を行います。承認取得、市場販売後には治療目的の使用条件下での研究が行われます。臨床研究前には臨床研究での条件等の設定のための非臨床研究を実施します。非臨床研究と並行して、治験薬の品質を特定しておきます。非臨床研究・治験薬の品質評価の後、臨床開発が4相(第3相までが承認前、第4相は承認後)として実施されます。各相での研究はおおよそ決められていますが(第1相はヒト薬理学、第2相は探索的研究、第3相は確証的研究、第4相は治療目的の使用での研究)、異なる研究フェーズにおいても別分類の研究を行うことはあります。

第1相臨床研究はヒトでの初回投与を含む、ごく初期の臨床研究となります。健康成人や比較的病状が穏やかな患者を対象とすることが多く、基本的には盲検化・ランダム化された状態で行われます。第1相では安全性、忍容性、薬物動態、薬力学、薬理活性の評価が行われます。