Rの基礎 3 ベクターの操作

Rの基礎3では、Rでデータを取り扱う場合の基礎となる、ベクターVector)の作り方や使用方法を説明します。

Rにおけるベクター(ベクトルと呼ばれることの方が多いような気はします)とは、数値、文字列など、もしくはその集合を指します。数字1つでもベクター、文字列1つでもベクター、数字が複数まとまっていてもベクター、文字列が複数まとまっていてもベクターとなります。1つの数字や文字列でもベクターですので、単にRに数字や文字列を入力するとそれがベクターになります。とは言っても、基本的にはベクターと呼ぶときは数字や文字列のかたまりを指し、ベクターを作る際にはc()という関数(combineのc)を用います。cで文字列や数字などを囲ってやれば、それがベクターになります。ベクターの中身は型が同じである必要があります。数値のベクターを作る(数列を作る)ときには、コロンを使って連続した数字ベクターを作成したり、rep関数やseq関数を用いて決められたルールを持つ数列を作成する事もできます。

ベクターにはインデックスと呼ばれるものがあり、ベクターの一番初めの要素から順に1、2、3とインデックスがつけられています(普通のプログラミング言語でのベクターに当たる配列ではインデックスが0から始まるため、Rでは少しルールが違うものとなっています)。ベクターの要素はベクター名[インデックス]で呼び出すことができます。ベクターはそのままで演算可能で(足し算、引き算、割り算、掛け算、割り算の余り、比較演算など)、c()を用いて結合することもできます。ベクターを引数に取ることのできる関数を用いれば関数の引数に指定することで計算が可能で、比較演算などの条件式を用いて中身を取り出すこともできます。names(ベクター)関数を用いればベクターの要素についた名前を取り出したり、逆に名前を付けることもできます。names関数を用いてベクターの要素に名前をつければ、インデックスの代わりに要素の名前から要素を取り出すことも可能です(RubyにおけるHashやPythonにおけるDictionaryなどと同じように使えます。RにHash型がないのは、ベクターがHashとして使えるからです)。