Rの基礎8 作図

Rの基礎8は、Rでの作図(グラフ作成)について説明します。Rはパッケージなしでも多彩な作図機能を持ち、データを簡単にグラフとして表示することができます。代表的な作図関数として、plot関数やpairs関数、hist関数、boxplot関数などがあり、それぞれ散布図、相関行列、ヒストグラム、箱ひげ図に対応しています。ただし、Rの基本的な作図では、軸や凡例の変更、複数のグラフを1つの図として表示する、図中に線などを入力する場合、関数を足していって重ね合わせていくという手法が必要となります。このあたりをマスターすればきれいな作図ができるようになるのですが、やや複雑で覚えにくい形をしています。

2010年頃からは、このRの基本的な作図手法に代わり、ggplot2というパッケージを使用した作図がRでの基本的作図となっています。ggplot2はtidyverseパッケージの一部であり、tidyverseをインストール、ロードすることで使用できます。ggplot2の基本関数はggplotで、第一引数にデータフレーム、第二フレームにaes関数を取ります。データフレームは作図に用いるデータを提供するもの、aesはデータフレーム中の要素のどれがX軸、どれがY軸、どのデータが凡例を示すのかを指定するためのものです。aes(x = X軸の要素を示す列, y = Y軸の要素を示す列, color = 色指定に使う列, fill = 図の中の色を指定する列) という形でX軸やY軸、色などを指定します。色はggplot2が自動的に割り当ててくれますが、自分で明示的に指定する事もできます。

ggplot2では、ggplot()関数に、+ でつないでグラフの形を指定する関数をつなげます。このグラフの形を指定する関数がgeom関数で、geom関数には点グラフ(geom_point)、線グラフ(geom_line)、棒グラフ(geom_bar)、箱ひげ図(geom_boxplot)、確率密度(geom_density)、エラーバー(geom_errorbar)などの種類があります。点グラフと棒グラフ、エラーバーを同時表示したいときには、ggplot(data.frame, aes(x="...", y="..."))+geom_point()+geom_line()+geom_errorbar()などのように、どんどん+でつないでいくことで要素を追加していくことができます。

詳しいggplot2の関数などの情報はドキュメントのページや教科書(Rグラフィック クックブック)、英語のグラフィッククックブックのホームページなどを参照されると良いかと思います。