ICH E2A 安全性管理: 迅速な報告の定義と標準的方法 1

ICH E2は安全性管理に関するガイドラインです。E2Aでは迅速な報告に関する定義とその方法について記載されています。ガイドラインでは、迅速な報告を要する副作用(有害事象)を定義するため、有害事象自体の定義から記載されています。有害事象(Adverse Event)は投与により患者に不利益を生じる事象、有害薬剤応答(Adverse Drug Reaction)は有害で意図しない医薬品への応答、良くしない有害薬害情報(Unexpected Adverse Drug Reaction)は医薬品情報(安全性に関する情報を指します)から得られない有害な応答を指します。迅速報告の対象となりうるのは、重大な(Serious)有害事象です。重大な有害事象は生命を脅かす可能性があるものを指し、入院を必要とする・障害を生じる・形態/生殖性に影響を及ぼすようなものです。有害な薬剤応答の推定可能性に関しては、開発者の資料(おそらく治験薬概要書のようなものを指すと思われます)に記載されていない内容を指します。

基本的にすべての有害事象は報告を必要とします。有害事象の報告時には、有害事象の記録の元を必ず特定する必要があります。有害事象のうち、通常のもの、重大であっても推定可能なものは迅速報告の対象ではないとされています(薬機法では死亡例は必ず迅速報告の対象となります GVP省令-安全管理情報の検討と安全確保措置の立案 - xjorv’s blog)。推定できない重大な有害事象は迅速報告の対象となります。報告時には投与した処方と事象の関係を明らかにしておきます。迅速報告の他の対象として、推定できる場合でも頻度が多い場合、致命的な症状に対する効能がない場合、非臨床研究から新たな重大事象が推定された場合などが挙げられています。