ICH Q7 GMP 14 臨床試験に用いる有効成分について

ICH Q7の第19章は臨床試験に用いるAPIに適用するGMPに関するガイドラインとなっています。日本では治験薬GMPで対応している内容だと思われます。

臨床試験に用いるAPI(治験薬)では開発段階であるため、工程・検査の精度が製品ほど高くありません。開発段階により必要なGMP要件は異なりますが、製品に適用するGMPのすべてを適用する必要はありません。品質上のGMP管理は必要となりますが、品質試験をすべて品質部門が担当する必要はありません。治験薬の出荷に関しては製品と同様に、製造と独立の品質部門が出荷判定を行います。原料・包装資材・中間体・APIの品質試験が必要である点は製品と同様です。製造や品質管理で生じた問題はすべて検証を必要とします。ラベルには原料名・臨床試験用であることを表記します。

製造設備は校正・洗浄され、使用に適したものでないといけません。交差汚染や混入を防ぐため、施設の使用手順を定めておきます。

原料は品質試験と原料供給者が発行するCoAで評価します。毒性のある原料については供給者からのCoAのみで評価することができるようです。小ロットスケールでの原料の最適性を評価し、製造に使用します。製造は記録をラボノートもしくは製造記録として残します。記録には原料・使用機器・工程名・観察結果を記入します。収量に関する観察結果への考察は製品では必要ですが、治験薬では必要とされません。治験薬は1バッチの製造が主となるため、正規のバリデーション実施には適していません。コントロール(制御)、校正、機器の適合性などをバリデーションの代替として用います。開発とともに製造方法は変化する上、承認を取得しているわけではないため、正規の変更管理は必要ありませんが、変更の記録は必要となります。

分析法バリデーション前に品質試験を行う場合には、科学的に正当な方法を用いて検証します。申請までは製造ロットの一部を保管しておき、追加試験を可能にしておきます。有効期限は通常GMPにしたがいますが、普通は正しい有効期限の設定は困難です。開発・製造情報は文書化し、保管するシステムの構築を行うことが必要となります。分析法についても同様に記録を文書として残します。文書の保管期間はあらかじめ設定しておきます。