GMP省令-文書の管理

GMPでは、管理の内容を文書として記録し、確認・承認後に保管することが重要視されます。この記録・確認・承認・保管を管理することを文書の管理と呼びます。

文書の管理はGMP省令第12条に規定されています。文書の承認、配布、保管を適切に行うこと、文書には改訂した日付と履歴を残すこと、文書の記録を(製造する製品によりますが)最低5年保管することが求められます。

管理の対象となる文書は、GMP省令で扱うすべての記録・文書です。この文書には、基準書・手順書、マニュアル、製造記録・試験記録、製造指図等が含まれます。バリデーションの記録や逸脱・変更の記録も当然含まれます。

文書の管理を適切に行うため、文書には体系図(階層構造、ヒエラルキーとも)、管理台帳(データベース)、文書番号が必要です。それぞれの文書について、誰が作成し、誰が確認・承認するのかあらかじめ決めておく必要があります。これらの手順については、あらかじめ手順書に記載し、品質部門の承認を受けておかなければいけません。

文書を制定・改訂した場合には、その文書を必要とする部署に文書を配布する必要があります。改訂前の文書は逆に回収し、処分します。

文書の保管はGMP上最も重要視される事項の一つです。製造や品質を後から確認できるようにすることで、品質問題やCAPA、回収、製品の安定性の問題などに対応することができます。文書は通常5年もしくは有効期限+1年の長い方を期間として保管されます。製品の種類によってはより長い期間、文書を保存する必要があります。

文書の管理についても、他のGMP上の管理と同様に文書の管理責任者を置く必要があります。上記の手順や管理は、品質部門に属した文書の管理責任者が実施します。