ICH Q7 GMP 10 変更管理/不合格品と再使用

ICH Q7の第13章は変更管理、14章は不合格品と再使用に関するガイドラインとなっています。変更管理はGMP総則の変更管理、不合格品と再使用は出荷判定や品質管理と関わる内容になっています。
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製造方法や試験、処方成分などの変更による影響について、変更前後に検証できる仕組みを構築しておく必要があります。変更の手順はすべて文書として作成し、承認を受けておきます。個々の変更の提案については製造部門、品質部門で回覧・確認し、品質部門による承認を受けて勧めます。変更はクラス分けし、品質に与えうる影響を評価します。変更後には、変更した内容に関する文書はすべて改訂し、変更後の生産ロットで変更の影響を検証します。変更後の安定性に関する検証も必要です。有効成分に関する変更については、製剤に与えうる影響を周知する必要があります。

規格を外れた製品は不合格品とします。不合格品はラベルに表記し、他の製品と隔離します。状況によっては再加工・再処理が可能です。再加工(Reprocessing)は不合格品を工程に戻して再加工することを指します。ほとんどのロットで再加工が必要な製品であれば、その再加工は手順として設定します。工程検査で規格外のときに(時間依存的に規格に入る場合などに)処理を続ける場合は再加工には含まないようです。未反応原料の再加工は最終製品の品質に与える影響を考慮し、実施します。

再処理(Reworking)と再加工の差がどのようなものなのか、示されていませんが、おそらく不適合製品をそのまま処理し直すような時を指しているように見えます。再処理前には不適合とした理由の検証を行います。再処理によって得られる製品が通常製品と同等であることを検証する必要があります。再処理工程のコンカレントバリデーションが必要となるときもあります。有効成分の類縁物質プロファイルに製品との差が生じないことを確認し、品質担保のための追加試験を必要とする場合があります。

承認された手順があれば、資材・溶媒の再生(Recovery)は可能です。溶媒の再生は管理された工程を経る必要があります。再生溶媒と新品の溶媒を混合することもできます。再生を行った場合には記録を文書として残します。

製品が返品(Returns)された場合にはラベルに表記し、製品などと隔離する必要があります。輸送時の環境によるリスクを評価し、処分方法を決定します。返品された製品の記録は文書として残します。