GMP省令-品質管理 概要

品質管理はGMP省令第11条に規定されています。品質部門が ① 試験用検体採取、② 試験検査の実施、③ 参考品の保管、④ 試験設備の点検と校正 を適切に管理、文書として記録し、製造部門に文書で報告することが定められています。

品質部門は品質部門の管理だけではなく、製造部門が実施する製造管理についても確認を行う必要があります(第11条3項)。製造管理の説明に記載したように、製造部門は製造管理の結果を文書として品質部門に提出します。品質部門はこの提出された文書を確認します。

検体とは加工前、加工後のロットの一部を取り出したものを指します。試験には非破壊的なもの(サイズや重さを測定)と破壊的なもの(溶かしたり、焦がして測定)があります。非破壊であれば、コストをかければ全量検査することは可能です。しかし、破壊的な試験では全量検査すれば、そのロットがなくなってしまいます。このため、一部を検体として採取し、その検体の試験を持ってロット全体の品質を担保することが検体採取の目的です。検体の採取は品質部門が指図にしたがって行います。検体採取の手順はあらかじめ決めておき、その手順通りに採取します。採取に関しても文書として記録し、保管する必要があります。

試験検査は、採集した検体の品質を調べるために行います。試験方法もあらかじめ手順を決め、その手順通りに実施します。手順は試験前に品質部門の責任者により承認を受ける必要があります。試験結果は文書として記録し、測定器が出力する生データとともに保管する必要があります。

製品の出荷後に、製品の品質不良が判明することも少なくありません。品質不良の原因を確認できるようにするため、出荷する製品の一部を参考品として保管する必要があります。保管数量は試験検査に必要な量の2倍以上です。有効期限に1年加算した期間(製品によっては期間の計算法が異なります)、適切な条件(温度、湿度、光環境を調節した状態)で保管します。原料や資材に関しても、同様に再確認のために保管します。

設備・計器の点検と校正は、製造管理と同様に行います。この2つについてはいずれ別個に説明します。