ICH Q8 Part1 医薬品の開発 (2)

ICH Q8は医薬品の開発に関するガイドラインです。CTD 3.2.P.2に記載する内容についての説明となっています。(2)は(1)の続きになります。
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製造工程の開発についての記載(CTD 3.2.P.3.3に記載)では、処方・機器・工程パラメータが適切であることを説明します。説明のために、開発・バリデーション・制御法などの検証結果について述べます。必要であれば微生物学的特性についての説明を追加します。開発時の検証の結果は規格設定の正当化に用いることができます。品質に重要となる工程パラメータを決定し、無菌性が必要であれば滅菌と包装を適切に選択・設定します。臨床・安定性試験・記載ロット間に違いがある場合には説明が必要となります。工程の終点・モニタリングに用いる測定システムなどを記載・設定します。同様に工程コントロール、調整の戦略や、工程パラメータ等の幅についても記載します。品質維持が可能な製造法の幅(広ければ頑強性となる)はリスク管理にも使用可能です。

CTD.3.2.P.7には包装についての説明を記載します。製造時に用いる包装が適していることを説明し、開発時には包装が貯蔵・輸送の品質を維持するのに十分であることを確認します。一時包装では医薬品と包装の間の相互作用を検証しておきます。投与デバイス(システム、吸入剤などに用いるもの)を用いる場合には、デバイスを用いて適切に製剤を投与できることを確認します。

CTD.3.2.P.2.5には微生物に関する管理の内容を記載します。非無菌製剤で微生物限度試験を規格設定する理由、防腐剤使用の場合における防腐剤の効果、無菌製剤の方法における混入のリスクなどについて説明します。防腐剤の使用量は安全性と効能から説明し、その量は使用期限中の医薬品の効能を維持するのに最小となる量とします。必要であれば、微生物を混入させる試験を実施し、微生物の繁殖の影響を検証します。

用事溶解する製剤における溶媒においては、溶媒の適合性(Compatibility)の検証が必要です。溶媒を製剤と混合したときの溶解性や安定性を調べます。有効期限までの貯蔵温度での検証を実施することが望ましいとされています。