ICH Q5A 用語集

ICH Q5Aの用語集(Glossary)です。Q5Aについては昨日、一昨日のものをご参照ください。
xjorv.hatenablog.com
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生物学的製剤の規制文書には固有の名詞が数多く登録されており、生物学を学んでいてもピンと来ないところが多く見られます。Cell substrateは製造用細胞ですが、この製造用細胞にはMaster Cell Bank(MCB)、Working Cell Bank(WCB)、Production Cellsの3つが存在します。Production Cellsが実際の製造に用いられるもので、Production Cellsが生成する有効成分タンパク質を含むもの(培養細胞、培養液、細胞周辺液など)をUnprocessed bulk(未加工のバルク品)と呼びます。Unprocessed bulkを精製して得られるのが有効成分となります。

ウイルス混入の検証に用いられるウイルス(Virus)は、Relevant virus / Specific model virus / non-specific model virus の3種に分けられています。Relevant virusは混入可能性のある、特定されたウイルス種のこと、Specific model virusは混入可能性のあるウイルスに近い性質を持つウイルス種のこと、Non-specific Model virusはその他の検証用ウイルス種を指します。ウイルスの混入には3タイプあり、検証のために意図的に混入させる場合、細胞のDNAに組み込まれたものが増殖する場合(Endogenous)、製造途中に意図せず混入する場合(Non-endogeneous virus)があります。

ウイルスクリアランス(Virus clearance)はウイルスの除去(removal)、不活性化(inactivation)により達成されます。除去はフィルターなどで取り除き、不活性化は不活性化バッファーを用いてウイルスの感染能をなくす方法です。クリアランスはRelevant、もしくはSpecific model virusを用いたクリアランス検証(Process evaluation)とnon-specific model virusを用いた検証(Process characterization)を必要とします。