ICH Q5A 生物学的製剤のウイルスに対する安全性の評価 2

Q5Aは生物学的製剤のウイルス安全性の評価法のガイドラインです。このスライドは先日のQ5Aの続きとなります。
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ウイルスクリアランスの検証とは、ウイルスの除去、不活性化を定量的に評価することです。ウイルスを意図的に混入させ、除去や不活性化の結果を確認することでクリアランスの検証とします。不活性化は時間依存的に進行するため、どの程度の時間でどの程度不活性化できたのかを確認する必要があります。ウイルスは特定の種だけではなく、複数の種類で検証することが求められるようです。

ウイルスの種類の選択には理由が必要となります。Relevant、Model、Non-specific Modelと呼ばれる3タイプのウイルスについて検証します。検証するウイルスについて、適切なデザインでの検証系を組みます。検証には実際の製品製造ラインを用いず、ウイルス検証用のラインで、十分な知識を持つスタッフによる製造・検証を実施します。検証時の製造システムは実生産よりスケールが小さく、なおかつ実生産と同じ条件となるよう配慮されたものである必要があります。ウイルスの除去は除去後の工程のみではなく、他のステップにおいても検証します。除去前後の工程は必ず検証が必要です。ウイルスは様々な工程で混入させ、ウイルスが特に多くなる画分を特に中止して検証します。統計的な結論が得られるよう、十分な繰り返し検証を行います。

リアランスには、カラムなどでの取り除き(物理的除去)と不活性化バッファーなどによる不活化があります。除去効果が少ない場合には、異なる複数の除去工程が必要となります。除去・不活性化ともに効率を計算します。特に不活性化では時間依存曲線の作成が必要となります。

除去にはカラムを用いますが、カラムの使用を続けるとカラムの除去能力は変化していきます。繰り返し用いる場合、再使用する場合には除去能力の検証、ウイルス除去の確認を行います。