ICH Q14 分析法開発と分析法バリデーション

ICH Q14は分析法開発と分析法バリデーションに関するガイドラインです。Q14はStep1のガイドラインで、2021年にStep4への移行を予定しています。Q14のターゲットは分析法開発自体の手順と申請情報の整備、Q2の改定となります。多変量解析を必要とするスペクトル解析法の薬局収載、分析法開発を含んだガイドラインとなります。Q8以降のガイドラインではQ8-Q12の内容を含むのが基礎となっているようです。

分析法開発では、分析法のパフォーマンス評価を含めた開発を推奨するようです。従来の方法から外れるようなもの(RTRTやPATなど)を想定しており、更に承認後の分析法変更についても盛り込まれる予定のようです。

分析法バリデーション(Q2)の改定案では、スペクトル解析法の追加が予定されています。スペクトル解析の例として、近赤外分光、ラマン分光、NMR、MSなどが対象となります。連続生産時のPATでの使用(近赤外とラマン)も対象となります。いずれにおいても、多変量モデルを使用した場合のバリデーション方法を定めることを目的とするようです。近赤外やラマンは散乱光スペクトル解析や吸収光スペクトル解析の一つで、多変量解析(主成分分析、重回帰、PLSなど)を用いた方法により、定性的ではなく、定量的解析を行うことが可能となっています(ケモメトリックス)。定量的多変量解析ではバリデーション方法が従来の分析法とは異なる可能性が高いため、Q2の改定により対応しようというのが趣旨だと思われます。