ICH Q11 有効成分の開発と製造 (1)

ICH Q11は有効成分の開発と製造についてのガイドラインです。Q7とQ8を合わせ、Q9とQ10、Q12の内容を含んだようなガイドラインになっています(2010年頃からのQualityガイドラインはほぼこの形を取っているようです)。
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Q11ではCTD 3.2.S.2.2-3.2.S.2.6に記載する内容について記載されています。ほぼQ8に沿ったような形を取っていますが、反応開始物質やバリデーションを含むところがやや異なります。

有効成分の開発アプローチとして、古典的な方法、システマチックな発展的方法のどちらを採ってもよいとされています。システマチックな方法では、デザインスペース、リスクマネジメントの手法を取り込むことが望まれているようです。製造方法の開発では、有効成分の性質が製剤化したときの品質と結びついていることを意識するよう記載されています。品質リスクマネジメントを活用し、重要な管理項目を洗い出し、ライフサイクルマネジメントの知識を活かしつつ開発を行うことが望ましいとされています。CQAs(Critical quality attributes)についてもQ8とほぼ同等ですが、有効成分では不純物の扱いがより重要となることを意識する必要があります。工程での反応効率、除去の効率に注目し、CQAsを設定します。工程開発情報についてはCTD 3.2.S.2.6に主に記載します。リスクアセスメントの結果やデザインスペースの説明もココに記載するようです。工程とその制御・管理方法についてはCTD 3.2.S.2.2に記載するようです。工程の説明にはフロー図を使用し、管理パラメータの妥当性について説明します。反応開始物質・原料の選択理由についてもCTD 3.2.S.2.2に記載するようです。