石川ダイアグラム(特性要因図)

石川ダイアグラム(特性要因図)とは、ある特性に作用する要因と、その要因を起こす原因となる因子を図として書き出したものです。一般的に樹形の図で示されます。

特性要因図における特性とは、目標となる指標のことです。場合によって目標となる指標は異なります。問題解決が必要であればその問題、達成したい事があればその達成目標が特性となります。図では、幹の矢印の先にその特性を記述します。

つぎに、要因です。要因とは、特性に影響を及ぼしうる因子のことを指します。例えば製造品質の改善が特性であれば、品質を変化させるもの(製造工程や品質試験、原料など)が要因です。要因は1次の枝に書きます。

最後に原因です。原因は、要因に問題を起こしうる要素のことを指します。例えば要因として製造工程については、作業員の質や製造機器、手順などが原因にあたります。原因は2次の枝に書いたり、図のように要因から伸びる枝上に配置します。

特性要因図は、リスクを引き起こす原因を特定し、管理すべき原因を列挙し、改善の対象を発見する、リスクアセスメント(リスクの特定)のために用いられます。医薬品品質リスクマネジメントのガイドラインにおいても、作成が推奨されています。

特性要因図の作り方は、WordやPowerpointを使うことが多いようです。しかし、Wordは文章、Powerpointはプレゼンテーションを作るためのソフトウェアであり、特性要因図作成には必ずしも向きません。

このような図を作るのに使えるソフトとしては、Freemindが挙げられます。Freemindは特性要因図作成用ソフトではなく、マインドマップというものを作るソフトです。枝構造などは特性要因図に類似していますので、比較的簡単に要因図を作成することができます。Freemindでも書き方は同じで、元となる根(Root)に特性、1次の枝に要因、2次の枝に原因を書き出します。すべて書き出した後、重複があれば取り除き、問題を引き起こす上で重要でないものも取り除きます。いわゆる石川ダイアグラムの形にしたい場合には、これをPowerpointIllustratorなどのソフトで清書すればよいでしょう。