故障モード影響解析(FMEA)

故障モード影響解析(FMEA、Failure mode and effects analysis)は物事が機能しなくなる状態(故障モードと呼びます)について、その影響を解析することです。FMEAの手順はJISに規定されています。

故障とは、機械やシステムが機能しなくなることを指します。故障にはいろいろな様子があります。例えば、パソコンが故障した時に、ハードディスク、ディスプレイ、バッテリー、CPUなどが故障して、全体としてパソコンは動かなくなります。このような、故障の様子(何が問題で動かないか)のことを、故障モードと呼びます。

FMEAでは故障モードとその影響・原因を明確にすることを目指します。手順としては、システムを階層分離し(特性要因図を使用してもよいです)、下層から故障モードを列記します。列記した故障モードについて、その影響の大きさ、発生頻度、原因を明らかとし、もっとも重大な問題を持つ故障モードから改善措置を提示していく、という形で故障を解析します。

FMEAの拡張版として、FMECA(Failure modes effects and critiality analysis)とFMEDA(Failure modes effects and diagnostics analysis)があります。これらの解析では、故障の影響の大きさ、発生頻度とともに、故障が検出しやすいかどうかを評価します。それぞれ定量的に評価した後、RPN(Risk priority number)を計算します。RPNの大きい故障モードは故障の原因となりやすく、その故障も重大なものとなります。したがって、RPNの大きい故障モードに対しては適切な処置が必要となります。