製品標準書について

製品標準書は、GMP省令第7条で作成を求められている文書です。製品標準書にはその製造所で製造する各製品について、① 承認事項、② 製造手順、③ 品質管理に関する事項(製品の規格や試験方法)が記載されています。

生物由来医薬品はワクチン、タンパク質製剤(糖尿病治療に用いられるインシュリンなど)、血液製剤(輸血に用いる血漿など)、遺伝子組み換え医薬品、再生医療製品(iPSなど)の総称です。生物由来医薬品はその名の通り、生物から取ってくるものですので、原料となっている生物があります。さらに、生物由来医薬品は一般的に物理的・化学的に効能などを確認することが難しいため、動物を使って確認試験を行うことがあります。生物由来医薬品の製品標準書には、この原料となっている生物と原料について、確認試験に使う動物について記載する必要があります。

ここから脇道にそれます。GMP省令第7条4項では生物由来医薬品として3種類を挙げています。一つは生物学的製剤で、ワクチン、献血で得られた血液で作られる医薬品です。次に、遺伝子組み換え医薬品が挙げられています。遺伝子組み換え医薬品とは、遺伝子組み換え技術を用いて作られたタンパク質製剤のことで、それぞれ特別な特徴を備えています。2010年ぐらいからの新規医薬品で大きな売上を上げている製品(ブロックバスター)のほとんどはこの遺伝子組み換え医薬品です。再生医療等製品は、ヒトの細胞を培養して作る医療製品のことです。培養皮膚など、単純に細胞を培養したもの、iPS細胞のようにヒトから取った細胞に遺伝子組み換えを行った後に培養したものなどを指します。

大幅に脇道にそれていますが、製品標準書はGMP省令上必ず作る必要がある書類で、製造・品質管理の基礎となります。製造現場で用いるマニュアルや製造記録・試験記録は製品標準書にのっとって作る必要があります。一方で製品標準書は医薬品製造販売承認書(承認書)というものにのっとって作成する必要があります。承認書についてはいずれ詳しく説明します。