ICH E3 臨床研究報告書の構造と内容

ICH E3は臨床研究報告書の構造と内容についてのガイドラインです。臨床研究の結果として報告する内容の詳細について、ICH地域で共通の報告フォームをさだめ、完全で曖昧さのない、査読しやすい報告書作成の指針が記載されています。報告書では目的・研究デザイン・方法等を明確とし、Appendix(付録)として詳細な情報を提供することとされています。報告書では計画書との差や、目的を詳細にした場合の変更等、集団ごとの傾向等を要約~詳細にレベル分けして記載します。報告書は16のセクションで記載するとされています。

タイトルページでは、研究の表題や対象薬剤、対象症例、デザインの要約や研究開発を実施した者の情報を記載します。概要は3ページ程度で記載し、文書とp値(統計的有意を示す値)だけでなく、具体的な数値で結果を説明します。目次にはセクションやページ、図の位置などを表記します。通常用いない単語や省略語を報告書中で用いる場合には、言葉の定義や省略形の書き下しを説明します。倫理的内容としては、治験倫理委員会や治験審査委員会の情報、ヘルシンキ宣言に従い治験を実施した旨(宣誓)、患者の同意に関する情報を記載します。治験を実施した者と治験実施組織として、実施した者、治験責任医師、調整医師、委員会、モニタリング等の情報を記載します。その後、序論と研究の目的の記載へと進んでいきます。