ICH E6 GCP 5 治験を依頼するもの(Sponsor)

ICH E6はGCPに関するガイドラインです。5ではGCP5章、Sponsor(治験を依頼するもの)の続き(5.15 記録へのアクセスから)をまとめています。日本のGCP省令では治験を依頼するものの範囲に記載されている内容となります。
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スポンサーは治験責任医師が文書をモニター・監査・調査等を目的として提出を求められた際に提出するとする旨について治験責任医師と合意しておく必要があります。同様に、秘密保持の下で文書を提出する旨について被験者とも合意しておきます。治験薬の安全性情報の収集、評価、周知もスポンサーの役割です。スポンサーは副作用が見られた場合に速やかに報告する仕組みを準備し、迅速安全性報告やDSUR、安全性情報の更新を行います。モニタリングの管理もスポンサーの責任の一つです。モニタリングは被験者の権利が守られていること、報告内容が正確で完全であること、治験がGCP、規制に従い行われていることを確認するために実施されます。スポンサーはモニターを評価・選択肢、モニタリングのSOPや計画を策定し、モニターによる報告書を受け取り確認します。モニターとは独立にAudit(照査/監査)の実施も必要となります。スポンサーは監査員を評価・選択し、監査を実施させます。コンプライアンス違反が見られるような状態に対応するのもスポンサーの役割です。特に被験者が知見により被害を受けた場合にはCAPAを実施するとされています。治験の安全性や効能、コンプライアンスに問題がある場合には、スポンサーが治験を中止することもあります。中止の際には治験責任医師、規制当局、IRB/IECへ連絡します。治験が完了した場合、もしくは中止した場合には治験報告書を作成し、必要に応じて規制当局に提供します。治験報告書の記載内容はICH E3に従います。複数施設を使用した治験を実施する場合には、治験責任医師間の連絡や、治験調整医師の設置等、1施設を使用した場合とは異なる管理が必要となります。