ICH E2C 安全性管理: 定期的リスク-便益評価レポート（PBRER）

ICH E2は安全性管理に関するガイドラインです。E2Cは定期的なリスク-便益評価レポート（PBRER: Periodic Benefit-Risk Evaluation Report）についてのガイドラインです。このガイドラインでは、PBRERの内容と様式、結果の示し方、申請方法について書かれています。PBRERでは承認時の研究ではわからない効能・副作用の製造販売後の調査の内容を定期的に報告します。承認時にはなかったリスク-便益評価を追加した、定期的安全性報告（PSUR: Periodic Safety Update Report）を発展させたものとなっています。

PBRERの作成時には、承認取得者によるリスク-便益評価の標準情報（Company Core Date Sheet、CCDS）を参照します。PBRERの報告頻度は基本的には規制当局に従います。PBRERの目的は上記のように、リスク-便益を適切にアップデートすることにあります。新規の効能・効果の追加、安全性情報などについて記載し、リスク-便益評価を実施して記載します。緊急安全性報告についてはPBRERとは別途で報告が必要となります。PBRERと他の安全性情報報告（PSURやDSUR: Developmental Safety Update Report）は別の規制当局内部署で処理されるため、独立でもよいとされていますが、重複や矛盾がないようにする必要があります（重複がある場合は引用するということだと思われます）。リスク-便益評価では一つ一つの要素（Module）を考慮して記載内容を考えるべきであるとされています。PBRERの要素を他の文書の要素として引用、逆に他の文書の要素を引用することで、矛盾・重複をなくし、確認を容易にします。