ICH Q7 GMP 5 原料管理

ICH Q7の第7章ではGMPに関わる原料の管理について記載されています。原料管理は日本のGMP省令には詳細には記載されておらず、品質管理、製造管理の基準書で対応している内容であると考えられます。

原料の受領・保管・試験適否判定の手法は文書としておく必要があります。製造所には原料供給者の評価システムを構築しておきます。受入規格にしたがい原料を購入、受入し、供給者の名前や住所を控えます。重要な原料の変更には変更管理が必要となります。

原料の受入時にはラベル、包装状態、文章の改竄の有無、混入の有無を確認します。受入原料をすでに受け入れ済みの既存原料と合わせる場合には、受入原料の試験合格結果が必要です。非専用のタンカー等で輸送された原料には混入がないことを保証するものの添付を求めます。保管コンテナや充填用配管は表示し、原料のコード・ロット・受領番号などを参照できるようにしておきます。

原料試験では1つ以上の試験を行うとされています(局方試験で原料試験が1つということはないので、どういう意図の文言なのかやや不明です)。供給者の試験成績書がある場合には試験の代替とすることができるようです(実際には受け入れ試験は通常行うと思われます)。原料の最初の3ロットは最低でもその使用する製造所での全試験実施が必要です。定期的な原料試験も同様に行います。

毒性原料などで、サンプリングに際し健康被害が生じる可能性がある場合には、試験成績書を持って試験の代替とできる場合もあるようです。原料のサンプリングの手順はあらかじめ設定し、定められた場所でサンプリングを行います。サンプルを抜き取った包装にはラベルを行い、適切に包装を閉じます。

原料の保管時には分解・混入・交差汚染を避けるようにします。箱入れ原料は床に直置きせず、専用の場所(台など)に保管します。原料は品質を保つよう保管し、先入先出で使用します。包装が適していれば原料を外においてもよいとされています(おそらく原料が室内に保管できないぐらい多いときなどを指していると思われます)。試験不合格の原料は使用されないようラベルし、保管します。原料は一定期間ごとに再試験し、その品質が保たれていることを確認します。