固形経口製剤の製造: 秤量

固形経口製剤の製造のうち、原料を処方通りに準備する段階である、秤量についてまとめています。秤量はその名の通り、処方量を医薬品の製造承認書に従い厳密に量りとる工程です。通常はMES(Manufacturing Execution System、製造実行システム)を利用して行います。

原料は通常購買部門が購入します。購入時にSAP(購買・会計管理システム)による処理を受け、工場内に持ち込む際にMESで処理することになります。原料は通常ダンボールやドラムなど、包装を持ち、包装には虫などが付着している可能性があります。原料を工場に持ち込む際に防虫・防鼠の措置を取りつつ、ダンボール等を取り除き、MESシステムに従い原料にラベルを行います。このラベルにより以降の秤量工程をMESで管理する形となります。

秤量前にはGMPに従い製造指図書が発行され、製造指図に従い原料を秤量することとなります。原料は適切に校正・保守された秤を用います。この際の秤は通常MESシステムと連動する形となり、原料の在庫や量り取り量をMESで管理することとなります。秤量時には交差汚染(コンタミネーション)に注意が必要となります。量り取った後、MESに秤量の結果を登録し、MESシステムが発行するラベルを秤量した原料に添付します。秤量は通常複数人で確認し、秤量物の混同等が起こらないようにします。秤量物は適切な環境の場所に保管します。特に有効成分は酸化・光・熱に弱いものを含む場合があるため、保管場所の環境条件が重要となります。保管においても交差汚染を起こさない環境を維持することが重要となります。