ICH Q7 GMP 6 製造と工程検査

ICH Q7の第8章は製造と工程管理に関する内容となっています。日本のGMP省令では、製造管理に含まれる内容だと考えてよいかと思います。

原料は品質に影響が出ないよう配慮し、正確な秤で秤量します。原料を分割利用する際には容器に表示し、原料や秤量は作業員以外の職員による確認を受けます。収率には規格設定を行い、製造時の収率と規格値に差が多い場合には原因や品質への影響を検証します。製造時の逸脱は記録し、説明と検証を行います。主要製造機器の使用状況はその機器、もしくはシステム上に表示します。原料の使用は認証をともなう形で行います。

工程の時間は品質を保つよう決定します。製造した中間体は品質に影響がないよう保管します。製造中の検査(工程検査)の方法とその許容値はあらかじめ文書として定めます。検査の種類と許容範囲は開発時の情報や製造履歴を基に作成し、製造完了に近い工程ほど精度の高いものを準備します。重要工程の工程検査は文書とし、品質部門の確認・承認を受けます。工程検査試料のサンプリング方法も文書化します。サンプリング時には混入を防ぐよう注意します。

同じ原料、同じ規格の異なるロットを混合する場合には、その個々のロットが規格に適合している必要があります。混合の方法も文書化し、個々のロットの製造履歴を参照できる形にします。混合後の物理的性質が重要である場合には、混合均一性を検証しておきます。混合による安定性の影響も検証を必要とします。混合後の有効期限は、混合に用いた最も古いロットに合わせて設定します。

製造時に前の製造ロットの原料や中間体の混入を防ぐ必要があります。特に有効成分の精製後の混入は製品品質への影響が大きいため、注意が必要となります。