医療機器QMS省令 5 製造と測定

医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(Quality Management Systems、QMS省令)は医薬品のGQPに当たる省令で、薬機法第23条に医療機器の製造販売承認の条件として定められているものです。5では、医療機器の製造と工程検査や出荷試験に当たる測定についてまとめています。

識別とは、製造工程において製品を識別するための情報を表示することを指します。識別の手順は文書として定めます。返却された製品と適合品の見分けが付くように標識し、製品の状態に関しても表示します。製品受領者の物品についても同様です。製品はトレーサブル(追跡可能)である必要があります。追跡可能性の維持できるよう記録を定め、識別・管理・記録します。特定医療機器では販売業者によるトレーサビリティの記録を必要とする場合もあるようです。

製品は製造から出荷までその要求事項への適格性を保持することとされており、保管条件により適格性に影響がある場合には保管の条件等を定め、記録する必要が生じます。同様に、適格性の実証に必要となる設備や器具を明確にし、監視や測定(工程検査や出荷試験に当たります)の手順を定めます。監視や測定に用いる器具には校正(キャリブレーション)と調整の手順を定め、校正・調整された状態を保ちます。製品が不適合となった場合には不適合の評価を行い、必要な措置(改善)を行います。監視や測定の結果は記録し、保管します。

測定・分析は製品の要求事項、QMS適合性の実証のために、計画書に規定して行うようです。製造販売業者が受領者要求事項への適合を監視する責任を負います。不適合や不具合等の受領者からの情報を収集する仕組みを確立し、警告やCAPA(是正・予防措置)のためにその情報を利用します。

製造販売業者はQMS適合性や製品実現計画のための内部監査を行います。内部監査の手順などは実施計画に基づき、あらかじめ定めた判定基準を用いて行います。内部監査を行うものの客観性は十分に保ち、監査記録を作成、保管します。監査不適合の場合には措置を取ります。

工程、製品の要求事項の適合性を確認するため、工程、製品の監視や測定を行う必要があります。適合性を確認し、確認できない場合にはCAPAを実施します。製品の出荷判定基準の証拠として、監視・測定の結果を記録、保管します。ある工程での適合性が確認した後に、次工程への進行が可能となります。適合しない製品(不適合製品)は操作や出荷を防ぐため、識別・管理が必要です。不適合製品の処理の手順はあらかじめ定め、除去・特別採用・使用不可のいずれかの措置を取ります。特別採用は法令の規定に適合していることが条件となります。製品の修正を行った場合には再検証による適合性確認を行います。出荷後の不適合に関しては適切な措置(おそらく回収を指します)を取ることとされています。