日本薬局方-一般試験法 6.13 皮膚に適用する製剤の放出試験法

皮膚に適用する製剤の放出試験とは、貼付剤などの製剤からの有効成分の放出を調べる方法です。経口製剤に適用する溶出試験法<6.10>のように、有効成分の水への溶け出しを調べ、有効成分の放出が規格に適合することを確認します。経皮吸収型製剤では特にその放出挙動が生物学的同等性を維持するために重要となります。測定方法は3種類あります。

パドルオーバーディスク法は、製剤をディスクに貼り付け、溶出試験のパドル法と同じ装置で測定する方法です。ディスクはステンレス製、目開き125μmの網を用います。貼り付けて放出面(粘着面)を上向きとして試験器に入れ、32℃で溶出試験のパドル法と同じ手法で放出を測定します。

シリンダー法はパドル法のパドルの代わりにシリンダーを取り付け、シリンダーにセットした製剤からの放出を調べる方法です。測定方法はパドル法とほぼ同じです。

縦型拡散セル法はセルに試料を入れ、セル内で試験液を撹拌することで製剤からの有効成分の放出を調べる方法です。溶出試験法のフロースルーセルと類似していますが、試料はセルの上に貼り付けるところが異なります。温度は同じで、液の撹拌はスターラーミキサーにより行います。

試験液は規定されたものを用います。普通はpH5-7、イオン強度が0.05程度の緩衝液を用い、必要であれば界面活性剤を使用することができます。試料の形状変化を引き起こさなければ、有機溶媒を利用することもできます。液量は200、500、900mLのいずれかで、各条に指定された量を用います。

判定法は溶出試験法のそれと類似しており、まず6個で試験を行い、適合でなければ更に6個追加、6個追加しても適合でない場合にはさらに12個追加して試験を行います。