日本薬局方-一般試験法 7.01 注射剤用ガラス容器試験法

注射剤用ガラス容器試験法は、注射剤を保管するガラス容器の品質に問題がなく、保管による人体への悪影響がほぼないことを確認するための試験です。注射剤用ガラス容器には規格があり、規格に適合したもののみを注射剤用ガラス容器として使用することができます。

注射剤用ガラス容器試験法には複数の試験が記載されており、種々の試験に適合することが求められます。ゴム栓を蓋に利用する場合には、そのゴム栓が輸液用ゴム栓試験法に適合する必要があります。

アルカリ溶出試験はガラス容器からアルカリ性物質の溶け出しが起こらないことを確認するための試験です。抽出法には粉砕して水で懸濁する第1法、容器に水を入れてオートクレーブ(圧力釜)で処理する第2法の2種類があり、場合により使い分けます。いずれの方法においても、抽出液を0.01mol/L硫酸で滴定し、その抽出液のアルカリ性の度合いを調べます。

着色容器の鉄溶出試験は、淡褐色に着色下容器に適用する、容器からの鉄の溶出がないことを確認するための試験です。着色容器は普通光により分解する有効成分などを保護するために用いられます。酸化鉄により淡褐色に着色されている場合が多いのだと思われるため、鉄溶出試験が設定されているようです。容器に水を入れ、オートクレーブで105℃、1時間加熱し、鉄試験法<1.10>で試験を行います。

着色容器の遮光性試験は、着色容器が光を吸収することで十分に有効成分を保護できることを確認する試験です。着色容器を切断し、破片を分光光度計にセットします。290-450nm、590-610nmの吸光度を20nm間隔で測定し、その吸光度が規格に適合することを確認します。