日本薬局方-一般試験法 7.03 輸液用ゴム栓試験法

輸液用ゴム栓試験法とは、医療用ゴム栓のうち、100mL以上の輸液容器に用いるゴム栓に適用する試験です。ゴム栓の素材は医薬品の品質に影響を与えないものであり、ゴム栓の使用により微生物の侵入を許さないものである必要があります。試験法として5種の試験(カドミウム、鉛、溶出物試験、細胞毒性試験、急性毒性試験)が設定されています。

カドミウム試験では、ゴム栓にカドミウムが規定量以上含まれないことを確認する試験です。ゴム栓2gを硫酸で溶かした後灰化し、塩酸で溶かし中和したものを試料として用います。カドミウムの測定は原子吸光光度法<2.23>で行います。鉛試験も同様の抽出法で試料を準備し、原子吸光光度法で測定します。

溶出物試験はプラスチック製容器の試験<7.02>と同様に、ゴム栓を水につけ121℃で1時間オートクレーブし、水を試験液として扱います。試験は6種類(性状、pH、亜鉛過マンガン酸カリウム還元性物質、蒸発残留物、紫外吸光)設定されています。

細胞毒性試験はプラスチック製容器の試験と同様に、マウス・ハムスターの培養細胞にゴム栓溶出液を混ぜ、コロニーの形成率で評価します。急性毒性試験では、ゴム栓溶出液をマウスに注射し、以上が生じないことを確認する試験です。