後発医薬品の生物学的同等性試験 概要 2 経口即放性製剤の溶出挙動

後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドラインは、後発医薬品の承認申請に必要な、先発製剤との同等性を評価するために実施する臨床試験の方法について説明したものです。(2)では経口即放製製剤での溶出挙動の同等性についてまとめています。

同等性の証明として、薬理効果を指標にした薬理学的試験や臨床効果を指標とした臨床試験を実施することもできます。いずれもBE試験の実施が困難である場合に選択されます。同等の許容域は個別に定められます。

生物学的同等性試験の指標として、製剤の溶出挙動試験をあらかじめ実施します。溶出挙動試験は1条件12ベッセル以上で行い、pH1.2では2時間、その他の液では6時間までの溶出変化を調べます。標準製剤の平均溶出率が85%を超えた時点で測定は終了となります。溶出試験はパドル法、900mL試験液、37℃前後で行います。pH1.2と6.8を用いる場合には、局方の溶出試験液1、2液を用います。液は製剤の性質により使い分けます。パドルは50回転が基本で、100回転も一部使用します。基本的に4液で実施し、難溶性製剤・溶解性改善製剤では4液に加え、ポリソルベート80(界面活性剤)を加えた液を用います。

溶出挙動の類似性判定は、標準製剤の溶出性により異なります。判定には溶出率の他、f2関数を用います。f2関数は試験製剤と標準製剤の平均値の差の指標で、完全に平均値が一致すると100、乖離すると100から離れていくものです。判定は標準製剤の平均溶出率から3種に分かれ、特に溶出率の低い場合(30分で平均85%に達しない場合)にはさらに3パターンに分かれます。