日本薬局方-一般試験法 2.04 タンパク質のアミノ酸分析法

タンパク質はアミノ酸が結合し、長鎖になったものです。タンパク質のアミノ酸分析法では、タンパク質をアミノ酸に分解し、アミノ酸をそれぞれ同定する方法について記載しています。タンパク質はアミノ酸同士がペプチド結合(アミドとカルボキシル基が脱水縮合したもの)です。ペプチド結合を加水分解すると、アミノ酸が得られます。加水分解の方法はたくさんあります。最も基本的なのはフェノール・塩酸法ですが、この方法ではいくつかのアミノ酸の側鎖が化学変化してしまいます。測定したいアミノ酸にしたがい、加水分解の方法を変えて対応します。

アミノ酸の分析には、イオン交換クロマトグラフィーで対応します。多くのタンパク質で用いられているアミノ酸は20種類ですが、一部のタンパク質では側鎖が修飾された誘導体も用いられています。イオン交換クロマトグラフィーは液体クロマトグラフィーの一種で、アミノ酸ごとに分離し、それぞれを検出器で定量します。アミノ酸の量を測定する最も基本的な方法はニンヒドリン反応です。ニンヒドリンアミノ酸と結合して、ルーへマン紫と呼ばれる青紫色の物質に変化します。このルーへマン紫を分光的に定量することで、アミノ酸の量を測定することができます。