ICH M10 生物学的分析法バリデーション 4

ICH M10は生物学的な分析方法に対するバリデーションについてのガイドラインです。バリデーションの種類や方法、報告について述べられています。4では、リガンド結合測定法についてまとめています。

リガンド結合測定では標準品の準備が重要となります。通常リガンドとして働く有効成分は複雑な構造を持ちます。標準品の性質を特定し、CoAとして文書としておきます。標準品は非臨床や臨床試験で使用したバッチ(ロット)であることが望ましいとされています。標準品のロット変更には生物学的な検証を必要とするとされています。リガンド結合測定に用いる試薬としては、結合タンパク質や抗体、酵素などがあります。それぞれ結果に重大な影響を与えうるため、使用するものを特定し、方法を定義しておく必要があります。信頼性の高い入手方法をできるだけ早く確保し、品質保証の方法を確立します。試薬の変更管理を含むライフサイクルマネジメントとし、リテストやバリデーションの要素は文書として定めておくこととされています。

リガンド結合測定のバリデーションでは、1サンプル1ウェル以上での測定を必要とします。測定方法は計画書やSOPにあらかじめ定めておき、測定サンプルとバリデーション時の測定ウェル数は同じとなるようにします。複数のウェルで測定した結果を平均し、1つの値として結果を求めます。バリデーションでの検証項目としての特異性、選択性、検量線などはクロマトグラフィーのそれと類似しています。