日本薬局方-一般試験法 2.03 薄層クロマトグラフィー

薄層クロマトグラフィーは、ガラス表面に薄く固定層を広げ、その薄い固定相上で物質を分離するものです。移動相は液体で、毛細管現象によって固定相を下から上に移動していきます。固定相内での移動速度の差により、試料は分離され、色などで検出することができるようになります。

ガラスに固定相を薄く広げた板を薄層板と呼びます。通常50x200 mm、もしくは200x200 mmのガラス板で、固定相の厚みは0.2~0.3 mm程度です。固定相は液体に懸濁して塗布した後、風乾し、さらに高温で加熱して生成します。一般的には自作せずに、製品としての薄層板を購入します。

サンプルは原線から20 mm離れた位置に、2~6 mmのスポットとしてのせ、乾かします。サンプル間、サンプルと薄層板の端は10 mm異常離します。原線の10 mm下、ガラスの端から10 mmの位置まで移動相に漬け、密閉容器に1時間放置します。この作業を展開と呼びます。展開後には分離した試料がスポットとして現れますので、スポットの原線からの距離を測定し、移動度(Rf値)を計算します。