GMP省令-品質情報の管理

製造販売業者、つまり医薬品企業の本社には、製品の品質に関する情報がもたらされます。この場合の品質の情報とは、普通は品質不良に関するクレームを指します。製品の箱が潰れていた、色がおかしかった、異物が入っていた、ラベルの記載が間違っていた等、品質不良があれば、クレームが営業などを通じて企業に届きます。GQPやGMPでは、この品質不良の情報を集め、適切に管理することが求められます。

品質情報には消費者から届くものだけではなく、医療関係者(医者や薬局の薬剤師など)、流通(医薬品は医薬品の卸業と呼ばれる業者が製造販売業者から一度買い取り、薬局などへ流通させています)、行政からももたらされます。行政からの場合には、副作用の情報や混入する恐れのある異物(類縁物質と呼ばれる、薬の成分が変質したもの)に関する情報が多くもたらされます。

GMP省令の第16条に品質情報とその処理に関する規定があります。製造業者が製造販売業者から品質情報を受け取った場合には、① 品質不良の原因を究明して措置を取り、② 情報、原因、改善について文書で記録・保管し、③ 品質情報の確認を受け、④ 製造管理者に報告する 必要があります。

他のGMP上の管理と同様に、品質情報に関しても品質情報を管理する者(品質情報の管理責任者)を置く必要があります。品質情報に関しても逸脱と同様に、重大さについて基準を設定し、基準ごとに措置の方法を設定し、手順としておく必要があります。手順は品質部門の承認を受ける必要があります。措置では一般的に逸脱と同様、CAPA(是正措置と予防措置)を実施することになります。問題が重大であれば、その製品を市場から回収することもあります。

品質情報は逸脱と同様に、単純に悪いものではなく、よりよい製品を製造するために必要なものです。よせられた情報に対し、適切にCAPAにを行うことで、よりよい製品をより安定して製造できるようになります。