ICH S11 小児治療用医薬品の非臨床試験 6

ICH S11は小児治療用医薬品の非臨床試験についてのガイドラインです。6では結果の統合その他についてまとめています。

データ、結果の統合として、エンドポイントの結果の統合、全体像の説明について考慮すべき点が挙げられています。エンドポイントの統合では、JASの検証結果への年齢、性別、種の影響について考慮すべきとされています。母獣による世話の状態、寝床の状態も重要な因子となるようです。検証する薬剤の成長への影響、食事への影響を調べ、器官成長・性的成長と体の成長速度との比較を行います。全体像の説明では、幼獣だけでなく、成獣での結果も統合して、小児での臨床安全性を評価します。幼獣のみで見られる副作用については特に注意を要し、タイプ・重大性・回復過程などを評価します。副作用が発生した幼獣の年齢・用量を実際の臨床使用時に予定されているものと比較し、小児臨床でのリスクを評価します。

小児利用されたことのない添加剤を製剤に用いる場合には、その添加剤について既存の安全性情報を検証します。既存の情報では不十分である場合には、追加検証を必要とします。医薬品を組み合わせて使用する際の安全性確保は、基本的にM3とWoEにしたがうとされています。小児利用に十分なデータがないのであれば、組み合わせ使用についての追加検証を必要とします。組み合わせにおける安全性をJASで検証できれば、個々の製剤に対する検証は必要ないようです。複数の医薬品の組み合わせに更に1つ追加する場合には、組み合わせについてすでに安全性が担保されている状態ならば、追加する製剤単独でのJASでの結果で安全性が担保できればよいとされています。