ICH S5 生殖・発生毒性の検出 5

ICH S5は非臨床研究における生殖・発生毒性研究(DART: Developmental and Reproductive toxicity)についてのガイドラインです。5では研究の組み合わせ、結果の報告などについてまとめています。

げっ歯類でのFEED、EFD、PPND研究の一部を組み合わせることで、使用動物数を減らすことができるとされています。FEEDとEFDを1つにまとめ、PPNDを別の研究として実施するのが一般的に考えられる組み合わせのようです。多回投与毒性研究と生殖能力への毒性検証も1つの実験として実施できるようです。多回投与試験に用いたオスと投与していないメスを交配し、メスのEFD研究を完了させるまでメスでの投与を続ける形で実施するとされています。

承認申請時の結果の報告では、すべての結果を表として示します。研究に使用した個々の動物の結果はすべて追えるようにし、器官形成異常などが起こった場合にはすべてを記録します。適切な対照動物を準備し、対照との比較により副作用効果を示します。

結果は統計処理し、処理・対照間での統計的な差を示します。結果は正規分布しないため(普通は二項分布かポアソン分布を取ると思われます)、ノンパラメトリックな手法での差を示します。有意差の表記は必要ですが、意味のある差(何倍など)を用いた結果の説明が必要となります。

承認前には、すべての結果を調べ、毒性のリスクを検証します。不明な点、不完全な点もリスクとなりうるため、明らかにします。in vivoでの結果をin vitroなどの結果より重視して評価し、副作用だけでなく変化からもリスクを検証します。ヒト推奨最大用量での副作用が生じないことが重要となります。ヒト推奨最大用量の25倍以上の検証結果から信頼性の高い結果が得られるとされています。副作用からの回復、授乳を通じた幼児への副作用等もリスクとして勘案します。