ICH S5 生殖・発生毒性の検出 2

ICH S5は非臨床研究における生殖・発生毒性研究(DART: Developmental and Reproductive toxicity)についてのガイドラインです。2ではin vivo試験のデザインについてまとめています。in vivo試験では1種以上の哺乳類で評価を行います。胚発生から出産後までのすべての時期を検証するため、FEED(Fertility and Early Embryonic Development)、EFD(Embryo-Fetal Development)、PPND(Pre- and Postnatal Development)の3ステージの研究を行うこととされています。

FEEDの検証として、通常最低2週間の多回投与試験を行います。生殖能力の検証はげっ歯類で、両方の性の動物を用いて実施します。生物学的製剤では使用動物での薬理活性の有無が重要となります。生理活性のある動物種で3ヶ月の実験を行います。終末期ガン治療薬のように、DART試験の実施をそれほど必要としない場合は成獣のみを使用した試験を行います。

EFDの検証はすべての医薬品で実施します。受胎後のメスでの胚・胎児の発生を検証します。使用する動物はげっ歯類とそれ以外の哺乳類の2種で、少なくとも片方の種で薬力学的応答があることが条件となります。生理活性がある種が存在しない場合には、形質転換体などの使用を検討します。生物学的製剤でもほぼ同様絵、2種ともに薬理活性が観察可能であることが望ましいようです。EFDの代わりにPPND研究を拡大して実施することもあるとされています。EFD検証では、in vivoと同等のin vitro試験などを使用することで使用する動物を減らすことも可能なようです。このようなアプローチでは1種での検証と1種でのpEFD研究、2種のpEFD研究で第3相試験での生殖毒性を担保することになるようです。

PPND研究は基本的にげっ歯類で実施します。予試験を行い用量、試験系の検討を行った上で実施します。EFDのような別アプローチについてはICH S11に記載されているようです。