ICH M3 非臨床安全性研究 1

ICH M3は非臨床試験(安全性研究)についてのガイドラインです。1では急性毒性研究までの内容をまとめています。MシリーズのガイドラインはM4(CTD)を理解したいためにまとめ始めたのですが、非臨床研究は臨床研究(Safety、Efficacy)と密接な関係を持つため、SとEのガイドラインを読まずに読むとよくわからない内容になっています。SとEをまとめた後に再度見直したいと考えております。

ICH M3は臨床開発前の非臨床安全性研究についてのガイドラインで、臨床研究を折りよく(Timelyに)、3R(Reduce, Refine, Replace)に従い動物使用を減らしつつ行うことを主な目的としています。ガイドラインの対象は承認申請に必要な非臨床安全性研究について(薬理学的研究、毒性研究、毒物動態学的研究、薬物動態学的研究、生殖毒性研究、遺伝毒性研究、長期使用毒性研究、発がん性研究、光毒性研究、免疫毒性研究、動物胎児毒性研究、乱用性)となります。非臨床安全性研究では、動物試験を通じて毒性の対象器官、容量依存性、暴露の影響、可逆的変化の可能性(治療効果がなくなることを指していると思われますが、よくわかりません)を検証します。非臨床安全性研究は臨床開発での用量や検討内容を詰めるために実施します。

毒性研究のため、非臨床では最大耐性用量(MTD)時の応答を調べます。MTDの用量は処方量や毒性研究の種類により定められています。薬理学的研究についてはICH S7Aに記載されているようです。心血管・中枢神経・呼吸系に対する安全性を検証します。初期の薬力学的研究は探索的開発時(P1を指していると思いますが、よくわかりません)に実施します。毒物/薬物動態学的研究に関してはICH S3Aに記載されています。血漿蛋白結合・代謝蛋白結合については臨床試験前の評価が必要となります。PK(Pharmacokinetics、薬物動態の結果)や代謝への影響は大規模治験(Phase III、第3相臨床試験)の前に評価を終えるように記載されています。急性毒性研究は用量増加・用量範囲研究で行い、単回投与での検証は必要ないと記載されています。第3相臨床試験での過剰用量の影響を推定するために有用となります。