ICH Q7 GMP 2 構造設備

ICH Q7の第4章ではGMP上の構造設備の取り扱いについて記載されています。Q7の構造設備は薬局等構造設備規則に類似した内容となっています。
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構造設備は洗浄・メンテナンス・製造に適したものであることとされています。構造設備には混入、交互混入(Crosscontamination)を避ける工夫が必要です。GMP管理上必要な構造設備(製造や試験だけでなく、その他の専用施設)についてはそのリストがガイドラインにあげられています。

構造設備として、手洗い用の洗浄用設備、トイレを設置することとされています。手洗い用の洗浄用設備にはお湯が出て、石鹸、エアドライヤーを備えていることが求められます。トイレや洗浄用設備は製造設備から独立している必要があります。同様に試験室も製造設備とは独立の場所にある必要があります。試験室のうち、工程検査・試験用の施設は製造部門内に置くことができますが、製造部門からの影響により試験結果が変化するような状況は避けます。

ユーティリティー(蒸気、ガス、圧空、加熱、換気などの設備)はモニタリングを必要とします。同様に換気や空気清浄システムが必要で、これらのモニタリングも行います。構造・配管などの図面は準備し、排水口の逆流を防ぐ構造を持つ必要もあります。

製造に使用する水は、最低でもWHOの飲用水規格を満たす必要があります。更に高純度の水を製造に使用する場合には、試験での確認を必要とします(日局では常水、精製水、容器入り精製水、容器入り滅菌精製水、注射用水、容器入り注射用水の規格があります)。純水製造設備にはバリデーションとモニタリングが必要です。無菌製品には無菌試験等を行った水(おそらく注射用水)を使用することになります。

医薬品によっては封じ込め(Containment)が必要となります。封じ込めとは、刺激性・高薬理活性・毒性などの高い医薬品などとヒトとの接触を避ける構造設備を指します。封じ込めが必要な場合には交互混入をできるだけ避け、試験により確認を行います。毒性の非医薬品の取り扱いを行わないことも求められています。

光、下水、ゴミについての記載もあります。製造所内は作業に十分な光量を準備、確保しないといけません。ゴミや下水は(当たり前ですが)安全、衛生的に処分します。

衛生とメンテナンスについての記載もあります。衛生については衛生管理に近い内容となっています。殺鼠・殺虫・殺菌剤を使う手順や方法、衛生用薬剤の使用の手順などを文書として設定することが求められます。