日本薬局方-一般試験法 4.03 消化力試験法

消化力試験法とは、消化酵素を有効成分として含む原薬、製剤に適用する試験で、その有効成分がでんぷん、タンパク質、脂質を分解する能力を調べる方法です。

でんぷん消化力試験法では有効成分によるでんぷんの糖化、糊化、液化を調べる方法です。糖化はでんぷん糖化力測定法で調べます。でんぷん糖化力測定法では、じゃがいもでんぷんを有効成分により分解しブドウ糖を生成します。このブドウ糖をヨウ化カリウムで還元し、遊離したヨウ素を滴定で測定する方法です。糊化はでんぷん糊精化力測定法で調べます。でんぷん糊精化力測定法では、でんぷんの分解にともない、でんぷんヨウ素反応による発色が弱くなることを利用してでんぷんの分解を調べます。液化はでんぷん液化力測定法で調べます。でんぷん液化力測定法では、でんぷんの糖化にともなうでんぷん液の粘度の低下を毛細管粘度計で調べる方法です。

タンパク質消化力試験法では、有効成分であるプロテアーゼによるカゼインの分解を調べます。カゼインの量はフォリン試薬を用いて定量します。フォリン試薬の呈色が弱くなるのを調べることで、タンパク質の分解力(分解速度)を評価します。

脂肪消化力試験法では、リパーゼによるオリブ(オリーブ)油の分解を調べます。基質となるオリブ油はあらかじめ乳化しておき、有効成分との接触能を高めておきます。分解により生成した脂肪酸水酸化ナトリウムで滴定することで、脂肪酸の生成と脂肪の分解を評価します。