ICH E14 QT間隔延長の評価 2

ICH E14はQT間隔延長の評価についてのガイドラインです。2では、Thorough QT study(徹底的なQT研究)。の後の臨床評価と、心電図データの取り扱いについてまとめています。

徹底的なQT研究の後には、研究の結果に従い追加検証を検討します。陰性の結果が得られていれば、追加のQT研究を必要としません。陽性の結果が得られた場合には、使用用量・濃度との関係について追加研究を必要とします。不整脈リスクを持つ患者や最大用量について検証し、安全性を評価します。通常AEは外れ値として観察されるため、外れ値を示す患者に注目した研究を必要とします。陽性の場合には開発後期に心電図測定を行った検証を追加し、同様に心疾患的なAEを起こした患者の情報を収集します。徹底的なQT研究の結果陰性であっても、開発中に心疾患的AEが見られれば、同様の検証を行います。安全性や忍容性のため、健康成人での検証が適さないような有効成分においては、対象患者群を対象とした研究を行います。患者を対象にできないような場合には他の方法を検討するとされています。他の方法には、用量応答性における心電図応答の検証などがあるとされています。

心電図データとして、通常12-lead surface ECG(12誘導心電図)を取るとされています。データはデジタルデータとして保存し、多施設研究では測定法を同じとなるようにして検証します。心電図を読む者は盲検下に置きます。Lead1と2でQTを調べ、T-Uの波形以上についても調べます。心電図データは申請情報として地域の規制当局に報告します。心電図のモニタリングは携帯型を用いることもあります。信頼性は通常の心電図と同等とは考えられていませんが、日常時の異常を検出可能であるという利点があります。

心電図の分析データは安全性データベースの基本的要素の一つとなります。AEとして得られた心電図データ、徹底的なQT研究のデータは保存・蓄積します。QTデータは心拍数で補正(QTcを計算)し、QT、RR、心拍数、QTcを報告する形とします。QTの補正はFridericia's correction、Bazett's correction、線形回帰等で行います。