ICH S7A 安全性薬理学研究 1

ICH S7Aは安全性薬理学(Safety Pharmacology)研究に関するガイドラインです。安全性薬理学では、副作用の原因となりうる薬力学的効果(作用機序など)の探索を行います。ガイドラインでは、被験者の安全を確保し、使用動物数を減らすことを目的とした非臨床研究としての薬理学研究を対象とします。

安全性薬理学の目的は、ヒト使用時の望まない薬力学的応答を特定、毒性研究で見つかった副作用を評価、副作用の生じるメカニズムの解明の3つです。薬理学的応答は有効成分ごとに異なるため、その有効成分に適した研究系を必要とします。

研究系の構築では、薬理メカニズム、類似医薬品で共通する副作用、リガンドへの結合・酵素活性への影響、安全性研究から得られた情報、生命維持における副作用の重大性などを考慮します。動物種の選択では、薬理、安全性を共に検証可能な動物を選択します。系としては、in vivo/vitroのどちらの系を用いても構わないとされています。必要十分な結果が得られるのに十分な検体を用いて研究を行い、研究時には対照(ネガティブコントロールとポジティブコントロール)を準備します。投与経路は基本的に臨床使用時と同等のものを用い、用量は振って、投与量と副作用の関係、時間応答を検証します。通常は単回投与の研究を行い、多回投与が必要な場合には多回投与での検証も実施します。