GCP省令 概要 6

GCP省令(Good Clinical Practice、医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令)は薬機法に定められた医薬品の製造販売承認、医薬品の再審査、医薬品の再評価の際に必要となる、臨床試験の結果を得るための試験の基準について定めたものです。(6)は、被験者の同意についてまとめたものです。

被験者を治験に参加させるときには、被検者に治験についての説明を行い、文書として同意を得る必要があります。同意能力を欠く被検者の場合は大諾者の同意でも実施は可能です。同意に関する記録、代諾者と被検者の関係についての記録を残します。同意能力を欠く被験者を治療効果のない治験に参加させることはできません。被験者には治験内容に関する質問を行う機会を十分に与え、回答します。

被験者への説明には説明文書を用います。説明文書には治験の目的や予想される利益・不利益、治験の期間や健康被害発生時の対応などについて記載されます。説明を受けた後、被験者は同意文書に署名・日付を記入します。同意文書には治験責任医師も署名・日付を記入することで有効なものになります。この際の同意は強制的・不当な影響によるものであってはいけません。説明文書が読めないものを被検者とする場合には、同意に立会人が必要となります。同意文書に署名した後、同意文書の写しを被検者に交付します。

治験中に被験者の意志に影響を与えうる情報(副作用や治療効果を指すと思われます)が得られた場合には被検者にその情報を提供する必要があります。情報を提供した旨を文書として記録し、被検者が治験を継続するかどうか確認を取ります。情報が得られた場合には説明文書を改訂し、医療機関の長に報告すると主に、再度被検者に改訂した説明文書を提供、同意を得ます。

被検者が緊急かつ明白な生命の危機にあり、現在の治療法では効果を期待できず、被験薬の使用により危機を回避できる可能性が高い場合で、被検者の不利益が必要最小限であり、代諾者となるものとただちに連絡が取れない場合、緊急状況下における救命的治験を実施することが可能です。緊急状況下での救命的治験は被検者の同意なしで実施することができます。