日本薬局方-一般試験法 2.51 導電率測定法

導電率とは、抵抗率の逆数を指します。抵抗率は単位面積・単位長さ当たりの抵抗のことを指しますので、導電率は抵抗の長さ・面積で標準化した電気の通りやすさの指標と言えます。標準化をしない値はそれぞれ抵抗、コンダクタンスと呼ばれます。コンダクタンスは抵抗の逆数です。抵抗は温度の影響を受けるため、抵抗・伝導率の測定は20℃を基準として行います。

導電率の測定装置は測定用セルと指示部からなります。測定用セルは電極を2つもち、電極間に試料溶液を入れます。電極に電圧をかけることで電流と抵抗を求めます。セルに用いられる白金電極は白金黒(黒色微粉末の白金のこと。酸化還元触媒として働く)でコーティングされ、さらにガラス管で保護されています。セルには浸漬(しんせき)型、流液型、配管挿入型の3タイプがあります。通常の測定では浸漬型を用います。流液型、配管挿入型は精製水などの製造管理に用いられます。導電率の標準液として、塩化カリウム溶液を用います。塩化カリウム標準液を用いて、セルが測定可能な抵抗範囲(セル定数)をあらかじめ求めます。さらに適合性の確認として標準液を数回測定し、抵抗率が標準値の5%以内、相対標準偏差が2%以下であることを確認します。適合性の確認後、試料の測定を行います。